借金の経緯
《パソコンが欲しい》
些細なきっかけだった。
カード一括で購入しリボ払い、という今思えば銀行口座引き落としのローンにすれば良かっただけの話だ。
手元の現金は減っていないのに欲しいものが手に入る。
もはや錯覚。
そこから洋服や日用品等をカードで購入していく。
この頃のクレジットカードは二枚。V◯SAとAM◯X。
最初のうちはその頃勤めていた会社のボーナスで一括返済できていたが徐々に金銭感覚がおかしくなっていた。
決定的な出来事が起きたのは20歳の頃。
当時付き合っていた男性にお金を貸して欲しいと頼まれた。
今思えば彼女に平気でお金を貸してと頼んでくる男なんてクソッタレだ。
そもそも人にお金を借りるような生活をしている時点でアウト。
って私が言えた話ではないが。
あの頃の自分に戻れるならアッパーをかまして目を覚ましてあげたい。
当時ほぼクレジットカードで生活していた私は現金がほとんどなかった。
その時の口座残高は二万。
貸して欲しいと頼まれた額は三万。
今まで通りであれば給料日まで普通に過ごせていたはず。
貸すなら貸すでせめて一万にしておけば良かった。
「現金がないなんて言えない」
くだらないプライドが私をカードローンの無人契約機に導く。
冠婚葬祭で急遽お金が必要。
この一言ですんなり借りれた。
クレジットカードと違い現金がすぐ手に入る。
この手軽さが無知だった私を借金まみれにしていくのだった。